「風上に“も”置けない」?なぜ風上?意味と例文、英語では何ていう?

「風上に“も”置けない」?なぜ風上?意味と例文、英語では何ていう?

どうしようもないやつ、というような意味のときに「風上にも置けない」という言葉がありますが、なぜ「風上」なのでしょうか?

例文や英語で「風上にも置けない」は何というのかもチェックしていきます。

「風上にも置けない」の意味

「風上にも置けない」は、人をののしる言葉でよく使われます。「卑劣・卑怯な人間め」という意味なのですが、なぜ風上なのか。

というと、風上に置けば臭気が流れてくるので、我慢ならない!という、なかなかの嫌味です。

そんな人、身近にいたら避けたいですよね。そいつを風上に置けば、こちらは被害を被ってしまいますから。

「風上にも置けない」は誤り?

ただし、「風上にも置けない」は、「誤りである」言葉です。

元来「風上に置けない」という言葉。

そう、そもそも「風上と風下、どちらに置くか?」という議題ではなかったのです。

あんなやつ、風上に置くな!臭くてこっちは被害が出る!というニュアンスであるわけです。

「風上にも」というように「も」が追加されたのは、強調の気持ちがこもったためでしょうか。辞書にはちゃんと「風上に置けない」と書かれています。

「風上にも置けない」の例文・使い方

卑劣や人道から外れた行いをするやつ、という意味のほかに、その職業・仲間うち・同類として恥ずべき行いをするやつだ、という意味でも使われますね。

「武士の風上におけぬ」

というような、元来の意味のほかに

「スポーツマンの風上に置けない」
「教師の風上に置けない」
「あいつは泥棒の風上に置けねぇ」

など、道義に反することや、ルール違反のような事柄に使われます。完全に信用を失う、というシチュエーションが考えられます。

「風上に置けない」英語では?

Weblio辞書で調べてみると「風上に置けない」は英語でこうなるよう。

武士の風上にも置けない奴でござる
He is a disgrace to the Samurai class.

「disgrace」は「恥辱」とか「不名誉」という意味の英語で、どこに対してかというと「the Samurai class」つまり「侍という階級に対して」ということです。