医療控除とセルフメディケーションどっちを選ぶ?違いは何?

医療控除とセルフメディケーションどっちを選ぶ?違いは何?

病院に通院している方だけでなく、ドラッグストアで薬を買ったという方は、確定申告で控除が受けられます。

医療費控除とセルフメディケーション制度の2つがあり、少額の方も申告することが可能です。

ですが、利用にあたってどちらを選択したらいいのか、そもそも申告できるのかを確認する必要がありますのでまとめてみました。

セルフメディケーション・医療費控除とは

1年間でのOTC医薬品の購入費が12,000円を超えた場合はセルフメディケーション税制が利用でき、医療費・医薬品の購入が10万円を超えた場合は医療費控除が利用できます。

どちらか一方しか申請できない

医療費控除とセルフメディケーションを併用することはできません。

申告の対象となるものは?

どちらの制度も、自身と家族の分と、まとめて申告することができます。ただ、申告できるものが少し違うのでチェックが必要です。

医療費控除

医療費控除というと、セルフメディケーション制度よりもお堅いイメージですが、医療費の他に市販薬の申請も認められています。

(※) 対象となる医療費には、治療や療養に必要な医薬品の購入の対価であれば、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の購入費も含まれます。

確定申告書作成コーナー(https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid171.html)「医療費控除の対象となる医療費の要件」より引用

ですので、市販薬を購入した際の控えも捨てずに取っておくことが大事です。

セルフメディケーション制度

逆に、セルフメディケーション制度だと「特定一般用医薬品等購入費」のみとなるようです。

納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った特定一般用医薬品等購入費であること。
(※) 特定一般用医薬品等購入費とは、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費をいい、新規ウインドウで開きます。購入した際の領収書にセルフメディケーション税制の対象であることが表示されています。

確定申告書作成コーナー(https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid171.html)「セルフメディケーション税制の適用を受けるための要件」より引用

かつ、「セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として、申告される方が以下のいずれかの「一定の取組」を行っていること。」

1 保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】

2 市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】

3 予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】

4 勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】

5 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

6 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

確定申告書作成コーナー(https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid171.html)「セルフメディケーション税制の適用を受けるための要件」より引用

どっちにする?違い早見表

セルフメディケーション医療控除
購入(支払)金額/年間12,000円を超える10万円を超える
対象となる商品・機関特定OTC医薬品医療機関・特定OTC医薬品
選択すべき条件10万円〜18万8000円の場合は計算してから18万8000円を超える場合はコチラ

表の3つ目にある「選択すべき条件」の部分ですが、10万円超えたといっても「医療控除」より「セルフメディケーション」の方が控除額が大きくなる場合があるんです。

所得税や住民税との兼ね合いで変わってくるので、必ずオトクになる方に申請しないと、家計の助けになりません。

カンタンに計算する方法

「所得税とか%とかわからない・・・」という方でも、どちらを選択したら良いのか簡単にわかる方法があります。WEBの「確定申告書作成コーナー」を使って試算することができます。

知識がなくても自動計算してくれるので、金額さえわかればどちらで申告すればよいかがわかります。

「確定申告書作成コーナー」を開くと、所得税、青・白色申告、などいくつか作成できる項目がありますが、「所得税」を選択して項目を入力する画面を出すと、「医療費控除」の項目画面の中に「試算する」というボタンが出てきますので、そちらを入力していくと「どちらを選択したらいいか?」がすぐわかるようになっています。

自分で計算するのは自信がない・・・という方は、活用してみてください。